東南アジアの雨季というと、夕方くらいにザーーーッと大雨が降り、その後はカラッと雨が上がる、ゲリラ豪雨のようなイメージを持つ人もいるかもしれない。

ミャンマーの雨季はそのイメージとは異なる。                       一言でいうと、「ひどい梅雨」。一日中じとじと雨が降り続き、雨足が強くなったり弱くなったり、上がったと思ったらまたじとじと。

外国人が雨季に用意しておきたいものは何か。                         それは傘でもレインコートでもない。                              何も想像しない、無の境地だ。                                  路上には吐き捨てられた噛みたばこの赤い汁や、痰、犬のしっこやうんち、ゴミ、ネズミの死骸、いろいろな物がある。それらが溶け込んだ水が足に付くのだ。                     嫌である。                                         しかし嫌がっていたら何もできない。だから、何も考えてはいけない。                    解決策にはなっていないが、これで外に出ることができる。                  無。無。無。目も半開きにしたいが、側溝にはまる恐れがある。                                        そして帰宅したら一番に足を洗う。                              ちなみに雨季でもビーサンタイプのサンダルを履いていた。長靴を履くという発想はなかった。

こう書くと雨季はサイアクなのだけれど、私はけっこう雨季が好きだった。             まず、暑くない。夜なんて肌寒いくらいだ。                          それから、果物の季節だ。日本にはない熱帯の果物が食べられる。                一番好きだったのは空気。乾季も暑季も砂埃が舞ってぼやぼやしているが、雨が押し流し、空気も景色も鮮明になる。

その砂埃も足元の水に溶け込んでるんだけど、そんな想像をしてはいけないのだ。

雨で落ちた花を拾う少女。

見てたらくれた。

ヤンゴン川のあっち側は豪雨。

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