ミャンマーに住んでいた最初の1年は、ヤンゴン外国語大学に語学留学していた。
2012年当時、ヤンゴンでアパートを借りた時の話を書いていこうと思う。
その頃、私のミャンマー語レベルは挨拶だった。挨拶や簡単な会話ができるとかではなく、一方的に挨拶として「こんにちは」を言い、返ってくる言葉はまったくわからん、文字通りの挨拶レベル。
そこで、ヤンゴンに住むミャンマー語ぺらぺらの日本人の友人を頼った。
その友人は言った。 「まずは住みたい場所のコンヤ―サインに行く」 初手から意味がわからない。 この友人とはその後、今でも交友関係が続く関係性を築くことになるのだが、友人はミャンマーを愛するあまり自らをミャンマーに寄せ、「説明」という概念が欠落していることはこの時はまだ知らない。
「コンヤ―サインて何?」 「噛みたばこ屋だよ」 「噛みたばこて何?」 「男の人がくちゃくちゃ噛んでる赤いやつ」 「私は家を借りたいんだけど」 「そうだね」
先が見えない会話を何往復もした内容を要約、さらに補足すると、噛みたばこ屋は地域の情報網でいろいろな情報が集まり、部屋の賃貸情報なんかも知ってて紹介・仲介をしているから、住みたいエリアの噛みたばこ屋へ行って部屋を知ってるか聞くことが部屋探しのスタート地点、ということらしかった。
冒険の始まりかよ。冒険の始まりを知るまでに既に疲れている。
今でこそミャンマーではインターネットは問題なく使え、誰もがスマホを持っているが、この頃のネット環境は悪く、ネットカフェに行ってもだいたい使えなかった。情報は人づて。アナログ。
私はヤンゴンにある、Hledanという町を選んだ。ヤンゴンの学生街だ。
友人に手伝ってもらいながら噛みたばこ屋に部屋の空き情報を聞いて回った。 携帯電話も高級品で市井の人は持っておらず、「聞いておくから明日また来て」と言われた。そして翌日また訪れると、「知ってる人に会えなかったから明日また来て」。
本当に部屋は借りられるのだろうか、それはいつになるのだろうか。 時間ばかりかかって遅々として進まない。不安が募っていった。

街の噛みたばこ屋。至る所にある。 なんかの実と石灰をなんかの葉っぱに巻き、それを噛む。一度噛んでみたがまずかった。
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